ICECRETE工法の特長

Features of the icecrete method

NH₃/CO₂凍結システムによるICECRETE工法のメリット

❶環境に優しい 自然冷媒を使用することから、地球温暖化緩和へ寄与します。
❷少量で大きな熱量を採取可能 二次冷媒に液化炭酸ガス(CO2)を用いることにより、液化炭酸ガスの気化潜熱が利用でき、
従来のブラインでは−30℃にしか設定できなかった冷却温度が−45℃まで設定可能となります。
❸消費電力が少ない 液化炭酸ガスの流量が従来のブラインの1/10となり、
ポンプ負荷の低減等から全体システムの消費電力が従来の6割程度となります(ICECRETE協会 実験値より)。
❹配管の小型軽量化を実現 液化炭酸ガスを用いることで、凍結管、配管のサイズダウンが可能となり、
作業の効率化を図ることができます。
❺工期短縮が可能 配管作業を含め、全体工期の短縮を図ることができます。

❶ 環境に優しい

自然冷媒を用いた凍結システムの必要性

2015年4月フロン排出抑制法が施行されるとともに、2015年12月パリ協定が国際的に合意され、あらゆる業界での温室効果ガス排出削減が課題となっています。
ICECRETE協会では、このオゾン層破壊や地球温暖化緩和へ寄与するため、新たな自然冷媒として一次冷媒をNH3(アンモニア)、二次冷媒をCO2(二酸化炭素)とした凍結システムを確立し、実際の地盤凍結工事に適用しました。

❷ 少量で大きな熱量を採取可能

工法原理

二酸化炭素は大気圧下では−80℃でドライアイスとなり、液体の状態では存在しません。配管内の圧力を0.7~1.5MPaとすることで、温度−45~−30℃において液体の状態で存在し、沸騰線に沿って状態変化します。
つまり液体の二酸化炭素は地盤の熱で気化します。この二酸化炭素の気化潜熱で地盤から熱を奪うことができることから、ブライン方式と同程度の熱量を奪うための流量を従来より少なくすることができます。

■CO2状態図

■潜熱(CO2)凍結方式

凍土の成長過程

❸ 消費電力が少ない

NH₃/CO₂凍結システムによるICECRETE工法

■凍結システム比較

(注)COP=冷凍能力/軸動力:COP値が高いほど効率が良い
従来型 新 型
圧縮機 開放型スクリュー二段圧縮機 半密閉スクリュー二段圧縮機
外 観
一次冷媒(保有量) R22(250kg) NH3(25kg)
二次冷媒
(凍結管1本当たりの流量)
CaCl2ブライン(20〜30ℓ/min) CO2(2ℓ/min)
冷却温度 -30℃ -45℃〜
冷凍能力 110kW 103.4kW
軸動力 75kW(400V) 45kW(400V)
COP(注) 1.63 2.55
寸 法 L3.8×W2.2×H2.4m L7.9×W1.2×H2.0m
乾燥重量 6.3t 2t+5t
ポンプ動力 5.5kW〜11kW(200V) 2.2kW(200V)
メイン配管 80〜100A 25〜50A

■性能比較

※ブライン送り戻り温度差を2℃とする。
工 法 従来凍結工法 ICECRETE工法
種 類 塩化カルシウムブライン CO2
粘 度 (mPa・s) 14.71
0.21068
(-45℃・0.83MPa)
採取熱量 (kJ/kg) 5.484
329.04

❹ 配管の小型軽量化を実現

新しい凍結管「ICチャンネル」
日本 特許第6448085号 米国 特許第10221537号

熱伝導性と作業性に優れた新しい凍結管「ICチャンネル」を採用することにより、作業効率の向上と工期短縮が可能となります。
※ICチャンネル:ICECRETE工法における専用凍結管

■ICチャンネル採用によるメリット

■凍結管設置フロー比較

「溶接なし」「軽量化」により、従来と比較して作業工程を短縮・簡略化することができます。

❺ 工期短縮が可能

工程比較
(北海道電力石狩湾新港発電所1号機新設工事の工程実績)