協会概要

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会長挨拶

地盤中に設置した配管内に冷媒を循環させることにより、地盤内の地下水を凍結し、強固で高い遮水性を有した凍土を造成する地盤凍結工法は、1960年代より、シールド工事における発進・到達防護、地中接合、地中拡幅工事を始め、国内のさまざまな建設工事に用いられています。

地盤凍結工法の最大の特徴は、地盤内に存在する地下水を凍結させ、工事完了後は解凍する事により地盤内に一切の残置物がない、他の地盤改良工法と全く異なる「地球に優しい」点にあると言えます。
国土の狭い我が国において、ライフラインの地下化、さらにはその大深度化が進められるなか、この信頼性が高く、地球環境に優しい地盤凍結工法は、既に建設工事に欠かす事の出来ない地盤改良工法となっております。

従来の地盤凍結工法では、地盤を凍結させる冷媒(二次冷媒)として「塩化カルシウム水溶液」を使用し、冷媒を冷却し循環させるための冷媒(一次冷媒)として「フロン」が用いられるものが主流でした。
新地盤凍結工法 ICECRETE協会では、地球温暖化防止推進の観点から、一次冷媒のノンフロンへの転換、温室効果ガス排出量の削減を目指し、「さらに地球環境に優しい」地盤凍結工法であるICECRETE工法を確立いたしました。
具体的には、一次冷媒を「アンモニア」、二次冷媒を「液化二酸化炭素」とした凍結システムの確立により、従来の凍結工法と比較し、冷却効率が非常に優れ、温室効果ガス排出量を低減した凍土造成が可能となり、既に実施した国内の建設工事では約50%の温室効果ガス排出量低減を実現しております。

現在の建設業を取り巻く環境では、公共事業費の見直しやコスト縮減とともに、環境負荷の低減も強く求められております。
この環境下におきましても、ICECRETE工法は「地球環境に優しい地盤改良工法」として、そのニーズを十分に満足させる技術であると確信しております。
今後も、更なる技術の研鑽を図り、安全で快適な国土作り、大深度地下利用による社会基盤整備等に寄与していく所存でありますので、各位のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

ICECRETE協会
会長 立和田裕一

設立の主旨

「地球環境に優しい新地盤凍結工法-ICECRETE工法-」の普及を目的とした任意団体「ICECRETE協会」を設立するにあたり、その設立趣旨は以下のとおりです。
従来より、地盤凍結工法は土中に設置した配管内にブラインを流し、配管周囲の地下水を凍らせるだけで強固な凍土を造成、施工目的を終えれば凍土を解凍し地中に何も残さないことから「環境に優しい工法」とされています。
この度ICECRETE協会は自然冷媒を使用し、液化炭酸ガスを循環する地盤凍結システムを完成し「ICECRETE工法」と名付けました。
ICECRETE工法は、施工設備の小型化、配管作業の簡素化、凍結工の効率化による工期短縮及び消費電力の大幅な削減を実現でき、従来の地盤凍結工法と比べ「さらに地球環境に優しい技術」として、すでに複数の工事で採用していただいております。
今後、東京外環プロジェクトでの採用も見込まれているほか、要求品質が高まる中での地盤凍結実施が予測されるにあたっては、さらなる技術深耕による環境負荷低減、品質向上の実現が必要と考えました。
その実現には、専門業者にとどまらない土木各方面の英知を結集する必要があるというのが協会の設立趣旨であり、ご賛同賜れれば幸甚です。